だんごむしと夜のきりん




  だんごむしと夜のきりん


皮膚だから剥がしてみたらほらあらわ

うつくしいかんばせひとつだけなのね

シリアスに打ち明けられてスプーン曲げ

スカートを折り曲げていたころからよ

砂時計くびれが折れてしまったの

回転をはぐれてやすむ山手線

死にたいと言えないでいる夜のきりん

背が伸びたわねえよごれた血とパンツ

おっぱいは大きくなって黙秘します

脇のしたで水銀の群れは眠るのか

加害者の皮膚を纏えば安堵する

丸まるとしずかなここちだんごむし

振り上げて下ろさないまま旗を振る

耳ちかく火花はずっと散ってない

恍惚の検品すべてながれぼし

初出:LOG Vol.1 2017/11/23(Thu)


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